HMBにはコレステロールの合成を促進する働きがあります。
コレステロールは筋肉の合成や損傷の回復に大きく関係します。
本記事はHMBとコレステロールの関係について詳しく解説しています。
コレステロールの役割
コレステロールは筋トレで傷ついた筋繊維や細胞膜を再生する働きがあります。
コレステロール値が高くなると体に良くないとイメージしている人も多いかもですが、わたし達の健康な体を作る上で大切なものです。
筋トレなど激しいトレーニングをすると筋肉の組織に傷がつき、十分なコレステロールが合成されなくなります。
コレステロール不足の状態が続くと筋肉の合成や損傷の回復が遅くなり、その結果、トレーニング翌日にひどい筋肉痛になったり疲れが取れないといった原因になります。
HMBはコレステロール合成を促進させる
HMBは筋トレ後の筋組織のコレステロール不足を解消する働きがあります。
HMBによってコレステロールの合成経路が確保されるので、筋肉組織ではコレステロールが安定的に作られ、傷ついた筋肉組織の回復が行われています。
「サプリメントを飲み始めてから筋肉痛にならなくなった」という口コミを見かけるのは、傷ついた筋組織をサポートするコレステロールの合成が促進されるためです。
HMBとコレステロールの論文
2000年にS.ニッセンらがそれぞれの関係について、下記の論文を発表しています。
肝臓と筋肉のサイトゾルにあるHMBは、最初にサイトゾルのβ-ヒドロキシ-β-メチルグルタル酸-Co-A(HMG-CoA)に変換され、コレステロール合成に使用できます(Rudney 1957)。したがって、HMBは、特にコレステロールなどのde novo合成に依存する筋肉などの組織において、細胞コレステロール合成の前駆体として機能します。 HMB作用の動作理論は、ストレスまたは損傷を受けた筋肉細胞は、細胞膜の適切な機能を含む細胞機能のための適切なコレステロール合成をサポートするのに十分なHMG-CoAを作ることができないかもしれないということです。したがって、補助的なHMBは、これらの細胞におけるHMG-CoAの便利な供給源となり、適切なコレステロール合成、ひいては原形質膜機能を維持する可能性があります。
引用:J Nutr 130; 1937-1945, 2000.
HMBがコレステロール合成に関係していることが上記の論文から分かります。
筋肉痛を和らげる効果あり
HMBを飲むとコレステロールの合成が促進されるので、トレーニング後の筋肉痛を和らげる効果があります。
運動を始めたばかりの頃は体が慣れていないこともあり、翌日以降激しい筋肉痛に悩まされることが多くあります。
筋肉痛が長く続くとトレーニングのモチベーションが下がってしまうので、運動を始めたばかりの頃は筋肉痛にならないようにサプリメントの力をかりて体をメンテナンスすることがとても大切になってきます。
HMBには筋肉痛を和らげる効果以外に、下記の2つの効果もあります。
- 筋肉の合成を促進
- 筋肉の分解を防ぐ
短期間で筋肉を付けつつ筋肉痛を和らげる効果もあるので、トレーニング初心者の頃は積極的に飲みたいサプリメントになります。
筋肉の合成や分解の抑制の効果について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にして下さい。
まとめ
HMBにはコレステロールの合成を促進する効果があります。
コレステロールは体に良くない物と捉えられるケースが多いですが、わたし達の細胞一つ一つを形作る材料です。
トレーニング後はコレステロールが不足した状態になるので、合成経路を保つことが体をサポートする上では大切になります。
そこで活躍してくれるのがHMB。
筋肉の合成の促進や筋肉の分解の抑制以外に、筋肉痛を和らげる効果が期待できます。